ねこまぬけ

「ねこまぬけ」に支配された博士学生。犬派。

カリスマ考察ーパーソナリティ障害の視点から

カリスマにめちゃくちゃハマったうえにしょうもない考察を思いついたので

備忘録程度に書き留めます。

 

以下,クソオタクの戯言ですので一切の責任を取りません!!!!!!!!

一応,隠しとくので興味ある方だけ覗いてやってください…

 

 

 

前々から、「シェアハウスは隔離精神病棟のようなものなのではないか」という考察があるようで、「はえ~~」って流そうとしたときに思いついたものです。

 

というのも,彼ら全員なんらかの「パーソナリティ障害」の特性がみられるんですね…。

DSM-Vの多軸分類における第II軸のやつですね。ちょうど臨床心理学のテキストがあったので、そこからいろいろと引用してきました。

 

〇パーソナリティ障害とは:その人が属する文化から期待されるものから著しく偏り,広範でかつ柔軟性がなく,青年期または成人期早期に始まり,長期にわたり変わることなく,苦痛または障害を引き起こす内的経験および行動の持続的様式

 

DSM-Vにおけるパーソナリティ障害の全般的診断基準

A その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った,内的体験及び行動の持続的様式。この様式は以下の領域の2つ(またはそれ以上)の領域に現れる。

 (1)認知(すなわち,自己,他者,および出来事を知覚し解釈する仕方)

 (2)感情性(すなわち,情動反応の範囲,強さ,不安定性,および適切さ)

 (3)対人関係機能

 (4)情動の制御

B その持続的様式は柔軟性がなく,個人的及び社会的状況の幅広い範囲に広がっている

C その持続的様式が,臨床的に著しい苦痛,または社会的,職業的,または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている

D その様式は安定し,長期間続いており,その始まりは少なくとも青年期または成人期早期にまでさかのぼることができる

E その持続的様式は,他の精神疾患の表れ,またはその結果ではうまく説明されない

F その持続的様式は,物質(例:乱用薬物,投薬)または一般的身体疾患(例:頭部外傷)の直接的な生理学的作用によるものではない

 

実際,これから各キャラクター毎に記述する思考・感情・行動の特徴は程度の差こそあれ誰もがもっている傾向なのですが、これらの特徴が極端な形で現れ、柔軟性がなく、長期間にわたって持続し、著しい機能障害または精神的苦痛が引き起こされている場合にパーソナリティ障害と診断されます。

「一部のパーソナリティ障害では、本人が苦痛を感じるよりも、むしろ社会生活がうまくいかなかったり、周囲の人々が悩まされたりする場合が多い」と脚注があり、やはりカリスマな彼らの場合においても「本人が苦痛を感じている」よりも「周りが悩まされている」ほうが多いように思えますね。

 

ここでパーソナリティ障害について語弊を恐れずに言うと、

「パーソナリティ障害は,正常な状態とはいえないが、病気であるともいえない」というのが臨床心理や異常心理での取り扱いなのかなと言う感じがしています。

 

統合失調症気分障害、不安障害などの精神障害の一部と重なる症状を示すこともありますが、パーソナリティ障害は精神疾患と区別されて診断されます。

 

DSM-IV-TRでは10種のパーソナリティ障害と特定不能のパーソナリティ障害が定義されています。ここからは臨床心理学のテキストだけではなく,

・American Psychiatry Association 高橋三郎ほか・訳(2004).DSM-IV-TR精神疾患の診断・統計マニュアル 新訂版,医学書院などを参考にして記述します。

 

10種のパーソナリティ障害は3群に分けることができます。

◇A群:奇異な/普通でない行動を示す群

 (1)妄想性パーソナリティ障害

 (2)シゾイドパーソナリティ障害

 (3)失調型パーソナリティ障害

 

B群:派手な/突飛な行動を示す群

 (1)境界性パーソナリティー障害

 (2)演技性パーソナリティ障害

 (3)自己愛性パーソナリティ障害

 (4)反社会性パーソナリティ障害

 

C群:不安/恐怖に関連する行動を示す群

 (1)回避性パーソナリティ障害

 (2)依存性パーソナリティ障害

 (3)強迫性パーソナリティ障害

 

で、ぱぱっと解釈の結論だけ述べます。

 

本橋依央利:依存性パーソナリティ障害(服従型)

依存性パーソナリティ障害って幼児型と服従型に分けられるのですが、依央利の場合は服従型ですね。服従型は自分を犠牲にして依存の対象に尽くすものです。

 

依存性パーソナリティ障害のDSM-Vの診断基準:

面倒をみてもらいたいという広範で過剰な欲求があり,そのために従属的でしがみつく行動をとり,分離に対する不安を感じる。成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。

 (1)日常のことを決めるにも,他の人たちからのありあまるほどの助言と保証がなければできない

 (2)自分の生活のほとんどの主要な領域で,他人に責任をとってもらうことを必要とする

 (3)支持または是認を失うことを恐れるために,他人の意見に反対を表明することが困難である(注;懲罰に対する現実的な恐怖は含めない)

 (4)自分自身の考えで計画を始めたり,または物事を行うことが困難である(動機または気力が欠如しているというより,むしろ判断または能力に自信がないためである)

 (5)他人からの世話および支えを得るために,不快なことまで自分から進んでするほどやりすぎてしまう

 (6)自分自身の面倒をみることができないという誇張された恐怖のために,一人になると不安,または無力感を感じる

 (7)1つの親密な関係が終わった時に,自分を世話し支えてくれるもとになる別の関係を必死で求める

 (8)1人残されて自分で自分の面倒をみることになるという恐怖に,非現実的なまでにとらわれている

 

この診断基準ってすべてに当てはまっていなければならないわけではないので、当てはまるところもあれば違う所もありますね。

依央利って「他人への服従、奉仕」「他人の世話をすること」がフィーチャーされてるので,「自分が世話をされる」という上記の診断基準には「んぇ?」となりつつ、「依央利の本質かもしれん…」とも思いつつ。「自分は空っぽ」「世の中に服従しないと生きてちゃダメ」発言からも,平たく言えば自分に自信がないことがうかがえるので。あと,43話のお花見回で猿ちゃんが「自分の世話はどうなってんだ」っていうんですが、その言い回しもこれに絡めてるのかなと…深読みしすぎですね…。

 

テラ:自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害のDSM-Vの診断基準:

誇大性(空想または行動における),賛美されたい欲求,共感の欠如の広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。

 (1)自分が重要である誇大な感覚

 (2)限りない成功,権力,才気,美しさ,あるいは理想的な愛の空想にとらわれている

 ⑶自分が「特別」であり,独特であり,他の特別なまたは地位の高い人たち(または団体)だけが理解しうる,または関係すべきだ,と信じている

 ⑷過剰な賛美を求める

 ⑸特権階級(つまり,特別有利な取り計らい,または自分が期待すれば相手が自動的に従うことを理由もなく期待する)

 ⑹対人関係で相手を不当に利用する(すなわち,自分自身の目的を達成するために他人を利用する)

 ⑺共感の欠如:他人の気持ち及び欲求を認識しようとしない,またはそれに気づこうとしない

 ⑻しばしば他人に嫉妬する,または他人が自分に嫉妬していると思い込む

 ⑼尊大で傲慢な行動,または態度

 

繰り返しになりますが,すべてに当てはまらなければ診断されないわけじゃないです。テラって自己愛が強い所以外結構まとも(他のキャラにも言えることだが)なので、めちゃくちゃ傲慢とか尊大ってわけじゃないとは思うんですが…,いやウソ尊大だわ。なんか明るくて嫌味を感じさせないテンションで言うから気づかないだけでめちゃくちゃ傲慢だわ。共感性の欠如は「遭難」エピソードで顕著に表れていますね。

 

草薙理解:強迫性パーソナリティ障害

強迫性パーソナリティ障害のDSM-Vの診断基準:

秩序,完璧主義,精神および対人関係の統制にとらわれ,柔軟性,開放性,効率性が犠牲にされる広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになる。以下の4つ(またはそれ以上)によって示される。

 ⑴活動の主要点が見失われるまでに,細目,規則,一覧表,順序,構成,または予定表にとらわれる

 ⑵課題の達成を妨げるような完全主義を示す

 ⑶娯楽や友人関係を犠牲にしてまで仕事と生産性に過剰にのめり込む

 ⑷道徳,倫理,または価値観についての事柄に,過度に誠実で良心的かつ融通がきかない

 ⑸感傷的な意味をもたなくなってでも,使い古した,または価値のないものを捨てることができない

 ⑹自分のやるやり方に従わなければ,他人に仕事を任せることができない。または一緒に仕事をすることができない

 ⑺自分のためにも他人のためにも,けちなお金の使い方をする。お金は将来の破局に備えて貯めておくべきものと思っている

 ⑻堅苦しさと頑固さを示す

 

しょっぱな「秩序」でのけぞった。18時に夕飯~~~みたいなのは予定表になるのかしら。

 

猿川慧:反社会性パーソナリティ障害

反社会性パーソナリティ障害のDSM-Vの診断基準:

A 他人の権利を無視し侵害する広範な様式で,15歳以上で起こっており,以下のうち3つ(またはそれ以上)によって示される

 ⑴法にかなった行動という点で社会的規範に適合しないこと。逮捕の原因になる行為を繰り返し行うこと

 ⑵虚偽性,繰り返し嘘をつくこと,偽名を使うこと,または自分の利益や快楽のために人をだますこと

 ⑶衝動性,または将来の計画を立てられないこと

 ⑷いらだたしさ及び攻撃性,仕事を安定して続けられない,または経済的な義務を果たさない

 ⑸自分または他人の安全を考えない無謀さ

 ⑹一貫して無責任であること

 ⑺良心の呵責の欠如,他人を傷つけたり,いじめたり,他人のものを盗んだりしたことに無関心であったり、正当化したりする

B その人は少なくとも18歳以上である

C 15歳以前に発症した素行症の証拠がある

D 反社会的な行為が起こるのは,統合失調症双極性障害の経過中のみではない

 

猿ちゃんの過去がちょっとまだ明かされていないことが多すぎて素行症うんぬんは不明ですが。あとこれ、ちょっとひっかかるんですよねえ…というのも「反発」という言葉や彼の雰囲気、素行でこのパーソナリティ障害かなとあてはめたんですが、なーんか違うのかなとか…ね…ふみやのほうがよっぽどこれだろ。まあ、法にかなっていない行動(けんか、武器所持)、偽名…ウルフのことか??衝動性…でも、結婚式のスピーチは原稿を作っていて計画性はある、攻撃性はありますねえ。うーん、本当に猿ちゃんってこれなのか?

 

湊大瀬:不安性(回避性)パーソナリティ障害

不安性(回避性)パーソナリティ障害のDSM-Vの診断基準:

社会的抑止,不全感,および否定的評価に対する過敏性の広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになる。以下のうち4つ(またはそれ以上)によって示される。

 ⑴批判,非難,または拒絶に対する恐怖のために,重要な対人接触のある職業的活動を避ける

 ⑵好かれていると確信できなければ,人と関係をもちたがらない

 ⑶恥をかかされる,または嘲笑されることを恐れるために,親密な関係の中でも遠慮を示す

 ⑷社会的な状況では,批判される,または拒絶されることに心がとらわれている

 ⑸不全感のために,新しい対人関係状況で制止が起こる

 ⑹自分は社会的に不適切である,人間として長所がない,または他の人より劣っていると思っている

 ⑺恥ずかしいことになるかもしれないという理由で,個人的な危険をおかすこと,または何か新しい活動にとりかかることに異常なほど引っ込み思案である

 

「あ~~~」ってなるところが多すぎる。好かれていると確信できなければ…ってところとか…。

 

天堂天彦:演技性パーソナリティ障害

演技性パーソナリティ障害のDSM-Vの診断基準:

過度な情動性と人の注意を引こうとする広範な様式で,成人期早期までに始まり,種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ(またはそれ以上)によって示される。

 ⑴自分が注目の的になっていない状況では楽しくない

 ⑵他者との交流は,しばしば不適切なほど性的に誘惑的な,または挑発的な行動によって特徴づけられる

 ⑶浅薄ですばやく変化する感情表出を示す

 ⑷自分への関心を引くために身体的外見を一貫して用いる

 ⑸過度に印象的だが内容がない話し方をする

 ⑹自己演劇化,芝居がかった態度,誇張した情緒表現を示す

 ⑺被暗示的(すなわち,他人または環境の影響を受けやすい)

 ⑻対人関係を実際以上に親密なものと思っている

 

世界セクシー大使の件,思いっきり「過度に印象的だが内容がない話し方をする」で草。

 

伊藤ふみや:シゾイドパーソナリティ障害

ゾイドパーソナリティ障害のDSM-Vの診断基準:

以下の持続的なパターンが認められる

 ⑴社会的関係からの全般的な無関心 

 ⑵対人関係における感情表現の少なさ

 

このパターンは以下のうち4つ以上が認められることにより示される

 ⑴家族構成員とのものを含め,親密な関係を求める欲求がない,またはそのような関係を楽しまない

 ⑵ひとりでの活動を強く好む

 ⑶他者との性的活動に対する興味があるとしてもごくわずかである

 ⑷楽しみを得る活動がほとんどない

 ⑸親しい友人または相談相手がいない

 ⑹他者からの賞賛または批判に対して無関心である

 ⑺感情的に冷淡である、超然としている,平板である

 

統合失調型パーソナリティ障害では思考や認知のゆがみがあるのですが、これはふみやに見当たらない?のでシゾイドかなと。

ちなみにこの思考や認知のゆがみは「奇妙な信念または魔術的思考」「異常な知覚体験(幻聴など)」「疑念または妄想性思考」など。

なお、「奇妙な思考・発話」というのもあり、例の一つに過剰に綿密というのがあります。これは、いわゆるふみやの「洗脳ムーブ」のときに少し見受けられるかも。

ただ、彼の一番の特徴である「善悪の判断がついていない」についてはこれでは説明がつかないんですよねえ…。感情表現が乏しかったり、落ち着いているのはシゾイドで解釈できるんですけど。そこで、「ソシオパス」にもふれておきます。あと、「アモラリスト」もキーワードになってくるかも。というものソシオパスは反社会性パーソナリティ障害のことなんですけどね。ただソシオパスは後天的、サイコパスは先天的なんていう区別があるそうで。どちらかはわかりません。

 

ソシオパスの特徴

 ⑴日常的に法を犯す,または法を軽視している

 ⑵常に嘘をつき,他者をだまそうとする

 ⑶衝動的で計画性がない

 ⑷喧嘩腰で攻撃的

 ⑸他者の安全性についてほとんど考慮しない

 ⑹無責任で,金銭的にルーズ

 ⑺良心の呵責や罪悪感がない

 

また、社会ルールを気にしない点については,「ルールが自分の中に当てはまらない」という考えに至るのが原因とされ、自分の意志があるように感じ、最初のうちは人によって良い印象をもつかもとも。

あの屁理屈ふみや理論で相手を言いくるめること、「財布泥棒事件」のように天彦が騙されかけていたことなどはこれ結構当てはまるか。

常に嘘をつくは本当にそう。喧嘩腰で攻撃的…はわかりませんが、他人の安全性を考慮しないは海行くときの崖だったわごめん発言からちょっとうかがえる。金銭的にルーズはそらそうよ、金盗んでんだから。良心の呵責はないよ、罪悪感もないだろあいつ。

 

モラリストが下している判断は「道徳的であると慣習的にみなされているに過ぎない考慮」あるいは「他人が道徳的考慮とみなしていること」について述べているにすぎず,その意味でアモラリストの判断は道徳用語を「引用符付きの意味」で,すなわち通常使用されるのとは異なる意味で使っているに過ぎない。したがってアモラリストが下している判断が道徳判断ではない。

との主張も。

 

書けば書くほどこいつ反社会性パーソナリティ障害じゃん。とにもかくにも伊藤ふみやは謎が多すぎる。

 

矢島さんの論文「アモラリストとしてのサイコパス/後天性サイコパスとその処罰ーアダム・スミスの「正義」概念を手掛かりとして―を読んでくるか…。

 

ちなみに推しは伊藤ふみやです