ねこまぬけ

「ねこまぬけ」に支配された博士学生。犬派。

口頭試問対策その2

特別支援分野ではなく、教育全体に関すること

 

☆社会に開かれた教育課程

よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を共有し、社会と連携・協働しながら、未来の作り手となるために必要な知識や力を育む教育課程

(1)社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介してその目標を社会と共有していくこと

(2)これからの社会を創り出していく子どもたちが、社会や世界に向き合い関わり合い、自分の人生を切り拓いていくために求められる資質・能力とは何かを教育課程において明確化し、育んでいくこと

(3)教育課程の実施に当たって、地域の人的・物的資源を活用したり、放課後や土曜日を活用した社会教育との連携を図ったりし、学校教育を学校内に閉じずにその目指すところを社会と共有・連携しながら実現させること

◇なぜ社会に開かれた教育課程の実現が求められるのか

・社会のつながりの中で学ぶことで、子どもたちは自分の力で人生や社会をよりよくできるという実感を持つことができる

・変化の激しい社会において、子どもが困難を乗り越え、未来に向けて進む希望や力になる

◇社会に開かれた教育課程を支える制度

・コミュニティ・スクール(学校運営協議会をおく学校)

学校運営協議会とは、地域住民や保護者が学校運営に参画し、熟議を通して目標やビジョンを共有することによって地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことができる仕組み

・地域学校協働活動

地域住民の参画を得て、地域全体で子どもたちの学びや成長を支えるとともに、学校を核とした地域づくりを目指して、地域と学校が連携、協同して行う様々な活動。

 

☆カリキュラムマネジメント

子どもや地域、学校の実態を踏まえ、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科横断的な視点で組織的に配列していく、教育内容の質の向上にむけて、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のサイクルを確立すること、教育課程の実施に必要な人的または物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことを通して教育課程に基づき、計画的・組織的に書く学校の教育活動の質の向上を推進していくこと。

◇カリキュラムマネジメントのねらい

児童、地域、学校の実態を適切に把握し、編成した教育課程に基づき、組織的かつ計画的に学校における協働を実現し、学年・学級経営や教科経営の質的転換を促す

 

☆教科横断的なカリキュラム

子どもの学びの融合・統合を図る「知の総合化」のためのカリキュラム開発のため、教科等のカリキュラムを見直したもの。学習の基盤となる言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力や現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成のために、教科横断的な学習を充実する必要がある。

・融合型カリキュラム

 既存の教科の枠を取り払い、類似の内容を取り出すことにより、

 一つの教科として再構築されること。総合的な学習の時間や生活科

・相関型カリキュラム

 教科間の内容的なつながりや関係性を生かし、教科の枠組みを残しつつ、

 指導場面で統合的・統一的に編成する方法

 

☆幼小中の連携

幼児教育では規範意識の確立などに向けた集団とのかかわりに関する内容や小学校低学年の各教科等の学習や生活の基盤となるような体験の充実が必要。

小学校低学年では、幼児教育の成果を踏まえ、体験を重視しつつ、小学校生活への適応、基本的な生活習慣等の確立、教科等の学習への円滑な移行などが重要

各教科等の内容や指導における配慮のみならず、生活面での指導や家庭との十分な連携・協力が必要

 

☆持続可能な発展のための教育(ESD)

気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大など人間の開発活動に起因する現代社会の様々な問題を自らの問題として主体的に捉え、人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保することができるよ、身近なところから取り組むことで、問題の解決につながる新たな価値観や行動の変容をもたらし、持続可能な社会の実現を目指して行う学習・教育活動

2002年 持続可能な開発に関する世界首脳会議で日本が提唱した考え方

2015年の持続可能な開発目標の目標4「すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯教育の機会を促進する」のターゲット4.7に位置付けられた。

◇ESDで目指すこと

①持続可能な社会づくりを構成する6つの視点を軸にして持続可能な社会づくりに関わる課題を見出す

・多様性 ・相互性 ・有限性 ・公平性 ・連携性 ・責任制

②持続可能な社会づくりのための課題解決に必要な7つの能力・態度を身に付けさせる

・批判的に考える力 ・未来像を予測して計画を立てる力 ・多面的・総合的に考える力

・コミュニケーションを行う力 ・他者と協力する力 ・つながりを尊重する態度

・進んで参加する態度

 

GIGAスクール構想

ICT技術の社会への浸透に伴って、教育現場でも先端技術の効果的な活用が求められる時代となり、Society5.0時代を生きるすべての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びを実現するため、現場で児童生徒各自がパソコンやタブレットといったICT端末を活用できるよう、全国の児童生徒に1人1台のコンピューターと高速ネットワークを整備する文部科学省にする取り組み。

◇GIGAスクールを基盤とした学校教育

①個別に最適で効果的な学び

・個々の子どもに応じたよりきめ細やかな指導方法の開発・実践

・個々の子どもの状況を客観的・継続的に把握

・知識、技能の定着を助ける個別最適化(AI)ドリル

不登校児童生徒への支援の充実

・障害のある児童生徒への支援の充実

②時間・距離などの制約を取り払った協働的な学び

・学びの基盤となるデジタル教科書

・意見、回答の即時共有を通じた効果的な協働学習

・病院に入院している子どもと教室をつないだ学び

・沿革技術を活用した大学や海外との連携授業

③校務の効率化

・沿革技術を活用した場所に制約を受けない教員研修や採点業務

・校務支援システムを活用した校務の効率化

・校内・教育委員会等とのデータの即時共有

④教育データの利活用による効果的な学びの支援

・ベテラン教師から若手教師への「経験知」の円滑な引き継ぎ

・学習履歴、行動党の様々なビッグデータ分析による「経験知」の可視化、新たな知見の生成

◇GIGAスクール構想実現のための学びの環境整備

①ICT環境の整備

・高速大容量の校内ネットワーク

・児童生徒1人1台の端末

・家庭学習のための通信機器(モバイルルーター)の整備支援

・通信費支援

②ソフトの充実

・学習者用デジタル教科書、教材の活用促進

・ICTを活用した学習活動例の提示

・AIドリルなどの技術実証

③指導体制の強化

・各地域の指導者養成

・ICT活用教育アドバイザーによるワークショップの開催

GIGAスクールサポーターによる学校における導入支援

・ICT支援員など外部人材の活用

 

特別支援関係

☆生活単元学習

児童生徒が生活上の目標を達成したり、課題を解決したりするために一連の活動を組織的に経験することによって、自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習するもの。

◇指導計画の作成にあたって考慮すべき内容

・実際の生活から発展し、児童生徒の障害の状態や興味関心などに応じたものであり、個人差の大きい集団にも適合するものであること

・必要な知識・技能の獲得と共に、生活上の望ましい習慣・態度の形成を図りものであり、身に付けたないようが生活に生かされるものであること

・児童生徒が目標をもち、見通しを持って単元の活動に積極的に取り組むものであり、目標意識や課題意識を育てる活動を含んだものであること

・一人一人の児童生徒が力を発揮し、主体的に取り組むとともに、集団全体での単元の活動に共同して取り組めるものであること

・各単元における児童生徒の目標あるいは課題の成就に必要かつ十分な組織で組織され、一連の単元の活動は児童生徒の自然な生活としてのまとまりがあること

・豊かな内容を含む活動で組織され、児童生徒がいろいろな単元を通して、多種多様な経験ができるよう計画されていること

 

☆合理的配慮

国・地方公共団体等は法的義務、事業者は努力義務

(不当な差別的取扱いの禁止は法的義務)

◇合理的配慮

 障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意志の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない

※介助者や支援員等の人的支援に関しては、障害者本人と介助者の人間関係や信頼関係の構築、維持が重要であるため、これらの関係を考慮した支援のための環境整備にも留意することが望ましい。また、支援機器の活用により、障害者と関係事業者双方の負担が軽減されることもあるため、支援機器の適切な活用についても配慮することが望ましい。

◇例

・聴覚過敏の児童生徒のため教室の机・椅子の足に緩衝材を付けて雑音を軽減する。

・視覚情報の処理が苦手な児童生徒のため、黒板周りの掲示物の情報量を減らす

・言葉だけを聞いて理解することや意思疎通が困難な場合、絵や写真カード、コミュニケーションボード、タブレット端末などの活用、視覚的に伝えるための情報の文字か、質問内容を「はい」「いいえ」で答えられるようにすること等により意思を確認したり、本人の自己決定、選択を支援する

・読み書きに困難のある児童生徒のため、授業や試験でのタブレット端末の仕様を許可したり、筆記に変えて口頭試問による学習評価を行ったりする

・入試や検定試験において、本人・保護者の希望、生涯の状況を踏まえ、別室での受験、試験時間の延長、点字や拡大文字、音声読み上げ機能の使用を許可する

 

◇意志の表明→調整→決定・提供→評価→見直しのプロセス

①意思の表明

本人・保護者から社会的障壁の除去を必要としている意思の表明

②調整

学級担任を中心に

・実態把握

・合理的(必要かつ適当な変更・調整)かどうか、障碍者権利条約の目的に合致するかどうか

・過重な負担かどうか

・申し出を踏まえた、合理的配慮の内容の検討(代替案の検討を含む)

学級担任等と本人・保護者による合意形成が困難な場合、校内委員会を含む校内体制への接続、組織的な対応

・過重な負担に当たると判断した場合、本人・保護者に理由を説明し、理解を得るよう努める

・校内体制での対話による合意形成が困難な場合、市町村教育委員会ほか外部機関を活用しつつ、障害者差別解消法の趣旨に則して適切に対応

③決定

個別の教育支援計画への明記 途切れることのない一貫した支援の提供・引継ぎ

 

☆特別支援学校における指導計画の作成に当たっての配慮事項

視覚障害

・的確な概念形成と言葉の活用

点字等の読み書きの指導

・指導内容の精選等

・コンピューター等の情報機器や教材等の活用

・見通しをもった学習活動の転換

 

聴覚障害

・学習の基盤となる言語概念の形成と思考力の育成

・読書に親しみ書いて表現する態度の育成

・言葉等による意思の相互伝達

保有する聴覚の活用

・指導内容の精選

・教材・教具やコンピューター等の活用

 

◇肢体不自由

・「思考力、判断力、表現力等」の育成

・指導内容の設定

・姿勢や認知の特性に応じた指導の工夫

・補助具や補助的手段、コンピューター等の活用

・自立活動の時間における指導との関連

 

◇病弱

・指導内容の精選

・自立活動の時間における指導との関連

・体験的な活動における指導方法の工夫

・補助用具や補助的手段、コンピューター等の活用

・負担過重とならない学習活動

・病状の変化に応じた指導上の配慮

 

☆自立活動

目標:個々の児童又は生徒が自立を目指し、障害による学習上または生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身の調和的発達の基盤を培う

◇6区分27項目

①健康の保持

心理的な安定

③人間関係の形成

④環境の把握

⑤身体の動き

⑥コミュニケーション

 

専門分野関係

男女雇用機会均等法

平成18年改正 ①雇用主の方針の明確化とその周知啓発を行うこと、②相談窓口の設置など適切に対応するために必要な体制を作ること、③セクハラに関する事後の迅速かつ定説な対応をすることについて、セクハラ防止配慮義務が措置義務に

 

LGBT理解増進法

性的指向及び性同一性に関する国民の理解増進に関する法律)

目的:全ての国民が、その性的指向又は性自認にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等のための措置等を定めることにより、性的指向又は性自認を理由とする差別の解消等を推進し、もって全ての国民が、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する豊かで活力ある社会の実現に資すること

 

☆子どもの性的安全を守るための法律

・学校保健安全法

「学校において,事故,加害行為,災害等により児童生徒等に生ずる危険を防止し,および事故等により児童生徒等に危険又は危害が現に生じた場合において適切に対処することができるよう必要な措置を講ずる」努力義務を定めているが,この加害行為には子ども間のいじめや暴力と不審者からの子どもに対する危害を含むのみで,教員による子どもに対する性的加害行為は含まれていない。

 

児童虐待防止法

虐待の当事者を保護者(親権を行う者,未成年後見人その他の者で,児童を現に監護する者をいう)に限定しており,教員による性的虐待はこの法律の対象外となっている(柳本,2017)。

児童福祉法では34条に「児童に淫行をさせる行為」を定めており,教員の性的加害行為の一部はこれに含まれる。

 

強姦罪には,「13歳以上の女子を姦淫した者は,強姦の罪とし,3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も,同様とする。」と定められ,教員の子どもに対する性的加害行為を罰することができる。しかし,「暴行または脅迫を用いて」という要件を満たさなければならず,教員の性的加害行為は子どもがそれを拒否できない状況を利用して行われるものであるため,暴行や脅迫といった抵抗を著しく困難にする程度のものすら必要ない場合がほとんどである。さらに強姦罪親告罪であるが,子どもが教員を告訴することの難しさを考えるとこれらの法を用いて教師から子どもへの性的加害を罰することは難しい(柳本,2012)。